プロの経験値と提案力に、泣く。

綿密な取材に基づいた、人生初☆オーダー家具完成までの道のりを追う連続企画。

お待たせしましたの第3弾！

編集部の鳥居が向かったのは西京区桂(樫原)。

素敵な家具と雑貨に囲まれた和みカフェ、掲載店の『tote』さん♪

これまでのお話も併せて是非！

◆第1弾【toteさんへの挑戦状】

◆第2弾【絶望からの脱却】

頼れる設計士さんの経験値に基づくアドバイスは、目からウロコ祭りであった。

【1】難解タイル迷路

テーブル部分の素材を「タイル」にすることが決定し取り寄せてくださったサンプル。

「全部は難しくて、いくつかの種類だけですみません…」

「いえいえそんな…わ、めっちゃあるじゃないですか！笑」

てな数のサンプルを取り寄せてもらい、一個一個の特性や可能な加工についてもレクチャー。

「これ単体で見ると控え目に見えても、全体で見るとけっこう印象変わるんですよ＾＾」

コースターサイズのサンプルを施工例の全体図で見れば、なるほどサンプルより少し派手な印象だったり想像と雰囲気が違って見えたり。

“コーナーの丸み加工できるタイル”も全部ではないそうで、再びのパニック。

プロに相談しつつ、全力を振り絞り2種類ほど(わずか)をその場にて候補から外し。

「toteさん、このサンプル少し借りて帰っても…？」

「もちろんです！じっくり悩んで決めてください＾＾」

自宅にて一日おきに見比べ(見すぎると分からなくなる為)、最終世界イチ可愛いタイルを決定した自信があります。

「あ、いいですね可愛い」と、プロも言ってくれたし。笑

【2】サイズに潜む魔物

当初冷蔵庫の隣に置く設定から「120cm(しまえるスライドテーブル付)」でお願いしてたキッチンボード。

「幅だけで言うなら割と小ぶりで勿体ないかも…160位あればオーブン置いても広々使えるかなと…」と、toteさん。

それは鳥居も思っていましたが、冷蔵庫の置き場がなぁ。

ぽそりと。

「押し入れに冷蔵庫入れられへんかな…」

え、なに？

なんかすごい空耳聞こえた。

そんな「ドラえ〇んの寝床的☆隠す収納」ができれば万々歳ですが果たして可能なので…？

鳥居宅の、キッチン並びにある謎の押入れ。

素人なら食料庫くらいにしか考えないその一角を、“冷蔵庫のおうちにできないか？”と。

プロは目をつけたわけです。

結論から言うと、残念ながら無理でした。

数々の現場にてあらゆる壁を打ち破ってきたtoteさんでも、市営住宅の押し入れ棚板は破れず。

※頑固オヤジ並の頑丈さであった

棚板を打ち破る(外せるか試みてくれた)のは難しかったですが、おかげで鳥居の固定概念は破れました。

「冷蔵庫を単独でアッチ(離れた所)に置きます！」

160cmのキッチンボードを広々使いたい。

食材取りに行くのに運動にもなって良いじゃない！と、キッチンから少し離れた場所への単独設置を決意。

わざわざ調査に来てくださって、ほんとにありがとうございました☆

【3】憧れクロスガラス問題

上の引き戸棚に入れたかった「クロスガラス」。

10年以上前、オシャンな某家具店に展示された家具にはめ込まれたソレを初めて見た時。

「この世にこんな可愛いガラスあるんや…」と。

いつか自分が何か家具を買う時は絶対このガラス付いてるのがいい…思ったものです。

予定していた上の棚は、色々な相談のうえ無しに。

しかし、憧れのアイツだけは譲れなかった…。

数えきれない程の家具を見てきたtoteさん曰く。

「足元の位置にくる木の扉に、ガラスってあまりないんですよ」

わぁ。泣

「でも、それが鳥居さんのご希望なら…」

なら…？

「もちろん、入れましょう！」

やったぁ…！！涙

ネットで調べ見つけた理想デザインを完全再現してもらい、ガラスのサイズなんて1センチ単位で何回微調整(修正→イメージ印刷)してもらったか。

対する依頼人は。

淹れてもらえるカフェラテを「うまぁ…」と堪能、はちみつチーズトーストをもぐもぐ、アレがしたい、コレは嫌だと言いたい放題。

散らかるすべての要求(オーダー)を、toteさんはプロの技術でもって見事形に。

見せてもらった最終図面。

「うわ、これは…」

ビビるかわいさ、登場。

「かわいいですよねー＾＾」←ハンパない説得力

平面でこの破壊力、てことは。

「これの立体(想像できないけど)…toteさんイメージできるんですか？」

「ある程度、大体こんなかなぁーは浮かびますね＾＾」

浮かぶの…！？

確かな経験と技術を持ってすれば、割としっかりめに浮かぶみたいです。

わぉ。

我が家を照らす『フラワーポット』。

お店に行くたび気になり、時々触ってた「かわいいあなた」。

引っ越し祝いに弟夫婦がプレゼントしてくれました♪

「パントンチェア」で有名なデンマークの家具・インテリアデザイナー「ヴァナー・パントン氏」の名作ランプ『フラワーポット』。

廃盤となっていたこの名作(有線タイプ)に6年ほど前、復刻版の知らせが届く！

吊り下げタイプのペンダントライト、置き型のテーブルランプと続き、この数年トレンド的に現れたのがポータブル(小型サイズ)の無線タイプ。

USB充電式で、持ち運びokなテーブルランプです。

マットな質感やフォルムが可愛いのはさることながら、ちょっとすごいんですこの子。

その構造は一般的な傘をかぶせた空洞のあるテーブルランプとは異なり、“空洞”部分がない。

例えるなら、ゆで卵を黄身だけそのままに真ん中で半分にカットしたような。

光るのは電球ぽい黄身部分でなく、黄身周りの白身部分！

※お写真にご注目ください

で、さらに驚くのが点灯方法。

toteさんの解説で聞くと2割増しで興味深いですよ。

「本来の名作やと、台座の上に電球くるくるつけて傘かぶせてネジの役割的に留め具(金属ポッチ部分)を使うでしょ？でもポータブルになると、コレ自体が光るから留め具いらないですよね」

確かに。在る意味ない…。

「無駄になっちゃう留め具、ただただ飾りにしかならないモノに“機能”を持たせてるんですよ！それってすごいなぁ思て…」

なんとこれ、カサ部分トップの金属ポッチに触れることで点灯するのです！

わずかに触れた手の感覚を繊細に感じ取ってくれるあの心地よさ、しっくりくる表現が浮かびません。

復刻ラインナップは他にも色々あったけれど、その中でもtoteさんはこれが一番かわいいと思ったそう。

「デザインに抜かりがなくて洗練される風に感じて…。そんなわけで、僕はこれをお店で展示販売するものに選びました」

そんなわけで、これを展示販売することにしてくれてありがとうございます、toteさん。

尊敬する藤子F先生が言ってました。

何もない時代に、何かを生み出すことは難しい。

けれどあらゆるものが出尽くしたこの時代に、そこから“新しい何か”を考え出すのはそれと同じくらい難しいと。

触れる度に変わる穏やかなオレンジの光は3段階あり、ポータブルだから、いつどこでも機嫌よく日々の生活を照らしてくれます。

当たり前だけれど、決して安いものじゃない。

けれど、その価値が詰まってると素人にさえ伝わる。

デザイナーさんの想いや作り手の繊細な作業が無駄のない一つに込められてます。

1960年代後半、ベトナム反戦を訴えた「フラワーパワー運動（武器ではなく花を）」にちなんで名づけられ、時代的アイコンとなって世界中に広がったフラワーポット。

ネットでポチれば簡単にものが買えるこの時代。

それが正解な買い方のお買い物も多い、けれど。

“いいもの”だから、吟味して迷いたい時ってある。

じっくり試して、生い立ちなんかも聞いて、愛しみが増した頃に言える「これください」。

お気に入りを納得しておうちに迎えるお買い物のルーツが、toteさんにはあふれてます。

「お気に入り」って、不思議なものでずっとお気に入りですよね。

月日が流れ見慣れても家の中で目が合うたび嬉しくなる、みたいな。

我が家のポットちゃんも、まさにそれ。

家具はもちろん、雑貨やコーヒー、メニューの素材一つひとつに感じるtoteさんの選びのセンスを信頼してます。

大切な誰かへの贈り物選びにも、心強いお店。

先月初めに、めでたく2周年を迎えられたtoteさん。

お店から発信していきたい今後の計画も盛り沢山のようで、ますます楽しみです。

そんなこんなで、ついにまとまったオーダー家具。

世界にたった一つのソレは、無事完成の日を迎えたのか？否か！？

ついに迎える最終回、楽しみにお待ちいただければ幸いです。