衝撃！toteさんの〇〇〇提案。

2021年9月某日、編集部の鳥居が向かったのは西京区樫原の掲載店。

素敵な家具と雑貨に囲まれた和みカフェにて出迎えてくれたのは、設計士『tote』さん！

綿密な取材に基づいた、人生初☆オーダー家具完成までの道のりを追う連続企画。

お待たせしましたの第2弾！

※第1弾【toteさんへの挑戦状】も併せて是非♪

事前に送ったイメージ図を拡大し図面を起こしてくれたtoteさん。

鳥居の要望はズバリ。

◆木と黒(スチール素材)を基調とした色味で

◆テーブル部分は、アツアツ天板が直置きできる『メラミン化粧板』とやらを使い

◆上の棚には、憧れ『クロスガラス』を必須で

◆スライド棚やスライドテーブルで広く使いつつ

◆家具の下には可愛い“4本足”を四隅に必ずつけてください

…こまけぇ。

多忙のtoteさんは思ったとか、思わなかったとか。

実は、これらを筆頭にまだまだありました。

『鳥居さんの希望を一旦全部入れてみたんですけどね…』

“けどね”に感じた不安から数秒後、恐ろしいtote爆弾を放り投げてきたtoteさん。

『まず木と黒(スチール)の異素材なんですが、スチールの金属加工で結構なコストがかかってしまうんですよ…』

『え、それは…ビビるくらいの？』

『いや、そこまでは(笑)。けど上の棚までつけるとなると、さらに…』

『かかっちゃう？(で、最終鳥居は生活すらできなくなるんですかね？）』←知らん

toteさん曰く、希望をすべて叶えることはできる。

けれど一つのパーツにかかる手間で膨大な費用とコストをどんどん上乗せするのは違うと思うから…と。

なるほど、ごもっとも。

けれど…では鳥居の場合、実現できるものが非常に少ないということなのですか…？

どんどん不安が増す依頼人に対し、1人暮らしアドバイスのように設計士さんは。

『一人やと、言うてそんな食器って多くないから、上の棚はいっそ無くすのもアリかなと…』　

待ってくださいな！

じゃあ、永年の憧れクロスガラスはどこに!?泣

『あとね鳥居さん、メラミン化粧板(テーブル部分)は、耐熱じゃない。天板直置きしたら…歪むかも』

…ウソじゃろ。

『他なら例えば、ステンレスとか…』

重度の末端冷え性女に冬場のシルバーステンレスは、手先壊死の可能性あり。

作ったキッチンボードが使えなくなる為、すみませんが除外でお願いします。

『…必ず、歪んじゃいますか？』

『いや必ずというか、耐熱でないから歪む可能性があるっていう話で…』

『どうやっても“耐熱”にはできないんですかね？』

『できないですね』

『耐熱加工にしたりとか…』

『できないですね』

少しくらい“できる”と言ってくれてもいいのに、頑なに“できない”を貫き通す頑固職人ばりのtote氏。

『同じ“木”にする手もあるけど、それやと鍋敷き置かんと…』

『焦げますもんね。泣』

異常な頻度でオーブンを使う女にとって、キッチンボードに求める最重要課題であった“天板直置きの実現”。

予想だにしなかったtote爆弾の絶望に、煙が出はじめるキャパオーバー寸前の頭。

…しかし、“プロ”というのは違うのですね。

放り投げた(←投げてない)ままにしない。

投下後の爆弾処理能力まで長けているのが設計士toteさんの“ある提案”でした。

『で、タイルはどうかなって、僕は思ったんですが…』

たいる…。

って、まさかあの？

祖母和子宅の昭和レトロなお風呂場の鮮やかブルータイルが瞬時に脳裏を駆け巡り、鳥居の心中もはやパニックの極み。

パニックバタ子。

隠し切れないバタ子が見えちゃったんでしょう、toteさん間髪入れずに。

『タイル可愛いですよ、そこまで種類が多いわけじゃないけど…耐熱面で言うなら、まず完璧です！』

…そうなのけ？(←疲れによる心の態度)

『頑丈で手入れもしやすいし…施工例あるんで見せますね』

なんの予定にもなかったタイルの話なんて全く頭に入ってこない。

昭和感は好きだが、今回のキッチンボードに和子ん家の昭和感は求めてないんですよ。

『これとか、上部分がタイルです^^』

…ん？

あれ…思ってたのと、なんか。

『コーナー部分の丸い加工、めちゃ可愛いですね…』

toteさんが手掛けた施工写真に(内心激しく)驚き、少し落ち着きをとり戻すバタ子。

アイボリー系のまだら模様のタイルに白目地が映え、丸みを帯びたコーナー部分は家具屋でもネットでも出逢わなかった初めての可愛いさ。

固いタイルでこんな柔らかな表現できるんや…と。

"唯一無二感”あふれる写真に引き込まれました。

"耐熱面で言うなら完璧”の言葉を掘り下げて聞けば、どんな熱にも歪まない“焼き立て天板一生welcome！”みたいな実力。

設計士さんとしての信頼。

この日既に確立されつつあったので崩れはしませんでしたが…しかし。

一見ふんわり朗らかキャラに見えて(←失礼)、人を絶望させたかと思えば誘導尋問のように素敵に救いあげてくる…。

ニコニコニコ。

半笑いなのか素の笑顔なのか。

もはやつかめない設計士さんは、この後も素人の絶望を目からウロコなアイデアで次々と救いあげていくのでした。

〇〇エントリーモデル、tote

誰もが、コーヒーゆっくり飲みたいなの気軽さ持って立ち寄れるお店で在りたい…と。

toteさんの素敵テーマです。

『こだわってない…と言えば語弊があるけど、“こだわりすぎない”みたいな』。

オーガニックのドリップバッグコーヒー置かれてるのも、その一つ。

パカッというあの絵面からなのか、妙なインスタント感をかもすドリップバック氏。

安物でない本当に美味しいもの入れてるのに何だか可哀想。

そこに“オーガニック”とプラスの名前がつくことで和らぐかな…って閃いたtoteさん。

数ある産地の中で呪文みたいな場所でなく、一般的に知られてる産地名の豆をチョイスして。

お店を後にした後も、“おうちtote”まで楽しんでもらえますように。

素人にも伝わってくるほど、コーヒー好きが溢れ出てたtoteさん。

『生の豆を好みの焙煎方法で買える所とかもあって、色々な豆買いに行きましたね…』

カフェやコーヒーショップ巡りも楽しみながら、少しずつ道具を揃え、自分の好きな味を見つけてきた。

で、ドリップよりも油分まで抽出されたエスプレッソのコーヒーのほうが美味しいなと感じ、お店ではエスプレッソをお湯で割った『アメリカーノ』で提供することにしたそうです。

自分自身が美味しいと感じた、好きなコーヒーの味を。

このお店に訪れる人は、間違いなく。

“toteさん”てお店が好きで、toteさんの選んでくれた飲み物やフードメニューを飲んだり食べたりしたい人達なんです。

以前、お店で遭遇した赤ちゃん連れパパさんも、きっとそのお一人。

赤ちゃんをあやしながら、語りかけるみたいにポロっと呟かれたんです。

『…ほんと落ちつくよねぇ、ここは』って。

コーヒー一杯を、ゆっくり大事に味わいながら。

※盗み見にも程あり　

家の身近にあっても、家みたいにほっこりできても、家にはないお気に入りの時間が在るこの場所へ。

訪れるのは、一杯の数分を味わい『よし、またがんばろ』の気持ちを充電したい人達。

1人ひとりのお客様と丁寧に関わるtoteさんならではの、粋なおもてなしだと思うんです。

よく耳にするような有名店で、コーヒー談義に花咲かせるのを好む人も良し。

でもコーヒーに詳しくなくても、コーヒーがめちゃくちゃ好きな人達ってきっと大勢。

そんな人達が気負わず、ただ美味しいコーヒー飲みたいなの理由でtoteをチョイスしてくれたら、toteの在る意味が見えた気がして嬉しくなるそうです。

『だから、“コーヒーエントリーモデル”みたいなのでいいかなと思ってます、toteは。』

キャッチーなtoteさんのセリフに、一本取られました。

※エントリーモデル＝初心者にも優しい手軽に利用できるもの

カフェラテとカフェオレの違いを気楽に聞けるお店で味わう一杯の時間が心地いい。

ひと息つける、プライスレスな時間を提供中のtoteさんへ皆さんも是非。

設計士さんとしてのプロ仕事も引き続き炸裂！

『キッチンボードができるまで☆パート3』も、楽しみにお待ちください♪